塗料について説明します。

塗装工事を行う際に注意しなければいけないのが塗料です。しかし、一般の人にはよく分かりませんよね。そこで、創業以来65年以上この道ひとすじの良しん塗装が、はじめての方でもわかりやすく、楽しく塗料の説明をいたしましょう♪

『下塗り塗料』と『仕上げ塗料』の違い

 下塗り塗料とは、外壁材や屋根材などの塗装面に一番最初に塗る塗料です。

 塗装面を整えて、中・上塗りの密着性を良くする効果があります。密着性がなく剥がれやすい仕上げ塗料と外壁材・屋根材をくっつける、両面テープのようなものですね♪

 代表的なものにプライマーとシーラー、フィラーがあります。
 中塗りは上塗りと同じ塗料を使います。中塗りで表面がきれいになり、上塗りの効果が高まります。そしてさらに重ね塗りをすることで塗膜が厚くなり、塗料が持つ美観性と耐候性を確保できます。

壁の材質に合わせた塗料選び

・サイディング壁

 サイディングは建物の外壁に貼る仕上げ用の板材です。比較的安価でメンテナンスもあまり必要がないため、最近の一般住宅でよく使われていますね。

 塗装にはコストパフォーマンスがよく、多彩な色合いが楽しめるシリコン塗料が人気です。塗装後の美しさをより長持ちさせたい方はフッ素塗料を選ばれます。
 三階建て以上など塗装面積が広い・傾斜地で足場が多く必要などの場合はフッ素塗料にすることで塗装頻度を少なくして費用を抑えるのもいいですね。
 とにかく長く持たせたいという方には高耐侯型塗料がおすすめ!劣化要因である紫外線に強い耐性がある塗料としては【超低汚染リファイン】などが挙げられます。

 サイディングの中でも、レンガ調など意匠性が高いデザインの場合は透明な塗膜でコーティングできるクリヤー塗料が人気です。外壁の模様をそのまま残すことができます。

サイディング壁。よく見かけますよね?
こちらが浸透シーラー。ETERNITY(エタニティ)です。

・モルタル壁

 モルタルは砂とセメントと水を混ぜて作られる建築材料です。耐震性・耐火性に優れていますが、逆に防水性能は低い素材です。乾燥してヒビ割れが入りやすくもあるため、弾性があり塗膜が伸びる防水型塗料がおすすめです。
 塗膜が伸びることでヒビが入ったときに雨水をブロックしてくれますよ。

モルタル壁。築40年程度のお家に多いですね。

こちらが浸透造膜プライマーで最も有名な『ETERNITY ex1』です。
このように傷んだ壁には?
微弾性フィラーという塗料を使用することもあります。

・ALC

今も昔もひそかに人気の壁です。

・木の壁

こちらは木の壁です。都市部ではおしゃれなお家に。また地方都市ではお屋敷風のお家で使われています。

・トタン・ガルバニウムの壁

こちらは金属の壁です。築50-60年前後のお家や、最近のお家でも時々見かけますね。

鉄に対しては、サビ止め効果の入ったプライマーを使用します。

・コロニアル屋根

軽い屋根で有名なコロニアル屋根が痛んできた場合には、原則、浸透造膜プライマーを使用します。ただし、コロニアル屋根は、一般的な寿命が20年弱とも言われているため、お家のためには葺き替えをしたほうが良いケースもあります。(日差しがよくあたる地域等では特に痛みが早いです)

コロニアル屋根
傷んだ屋根には、弱溶剤2液型の浸透造膜プライマーが最適です。

「下塗り塗料」は、いろいろな塗料があるようにも感じますが、体系的に並べると上記のとおりです。どれも役割としては「仕上げ塗り塗料」と壁材を密着させるということなのですが、壁の『素材』に合った「下塗り塗料」を使うことがルールです。

※このルールを守らないと塗膜が密着しない、つまり「剥がれ」が起きるということになります。

2.「仕上げ塗料」は「耐候性」と「機能ごと」に分類されます。

「仕上げ塗料」は「耐候性」(どれくらいの長持ちを期待するか?)と「機能」(断熱・光沢・等)で分類されいますので、順番に見ていきましょう。

塗料選びワンポイント!

 

無機ハイブリッド塗料

一番長持ちすると言われている塗料は「無機ハイブリッド塗料」というものです。無機とは石のような無機物を指していますが、ゴムと石を比べてたら、石のほうが硬いのはおわかりいただけますよね。そのようなイメージから、現在では「無機ハイブリッド塗料」が一番長持ちすると言われています。各塗料メーカー耐候性として20年前後を提示しており、施工店の保証制度でも15年前後が提示されています。

ただし、この無機ハイブリッド塗料で施工する方々は、現時点では全体の10%前後。費用面がお高いこと等が挙げられますし、たとえ20年間長持ちしても、デザインは変えたくなるからだと思います。

各社塗料メーカーの無機ハイブリッド塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントNo.1
エスケー化研セラミタイトペイント
日本ペイントダイヤモンドコート
関西ペイントムキフッソ
アステック無機ハイブリッドコートJY
菊水化学工業無機ガードZ
水谷ペイント
ロックペイントパーフェクトセラミックトップF
大日本塗料

フッソ系塗料

次はフッソ系塗料です。「フッソ系塗料」は、昔のアクリル系塗料の3-4倍程度の耐候性があり、塗料の中で一番長持ちすると言われていました。要するには、フッソ系の化学結合(蛍石)のほうがアクリル結合や、シリコン樹脂のシロキサン結合よりも強いため壊れにくい、だから塗膜が長持ちするという方程式になります。

お選びいただくお客様は、市場全体(日本建築塗装職人の会調べ2020年4月現在)でも10-15%前後となっております。

各社塗料メーカーのフッソ系塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントSHANGRI-LA
エスケー化研セラタイトF
日本ペイントデュフロン4Fルーフ
関西ペイントアレスセラフッソ
アステックマックスシールド1500F-JY
菊水化学工業ビュートップフッソ
水谷ペイントパワーフロン#2200
ロックペイントサンフロン
大日本塗料ビューフッソ

シリコン塗料

いわずと知れた人気塗料がシリコン塗料です。塗装業界でも全体の70%程度はいまだにシリコン塗料が現状であり、良しん塗装でも、今もシリコン塗料をお選びいただくお客様が多いのが現状です。

特にシリコン塗料の人気は、シリコン系樹脂という安定的な性質の樹脂が特徴であること、適度な耐候性やつや光沢感が高級感があるということ。予算もお手頃であることなどから根強い人気です。

また、最近のデザイン塗装の流れでも、次の塗替えを期待する反面コストを抑える意味でもシリコン系塗料をお選びになるお客様が増えています。

各社塗料メーカーのシリコン塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントピュアピュアシリコン
エスケー化研クリーンマイルドシリコン
日本ペイントファインシリコンフレッシュ
関西ペイントセラMシリコン
アステックマックスシールド1500Si-JY
菊水化学工業ビュートップシリコン
水谷ペイントパワーシリコンマイルドⅡ
ロックペイントユメロック
大日本塗料Vシリコンマイルド

断熱塗料

 そして、断熱塗料です。「断熱塗料」「遮熱塗料」等といろいろ言葉が出てきますが、良しん塗装では、一般のお客様に対しては『断熱塗料』で統一しています。言葉尻よりも「わかりやすさ」が大事ですもんね。

「断熱塗料」で有名なのは、断熱塗料の草分け的な存在だった『ガイナ(GAINA)』ですが、発売されてから15年以上経過した今は、ガイナを超える塗料も次々に出てくるようになりました。そして、一昔前までは怪しい眉唾塗料だった「断熱塗料」が、今は一般塗料の仲間入りを果たしています。(2020年4月現在)

効果としては、屋根・壁に塗装することで、夏には5-7度前後温度が下がり、冬も魔法瓶のような効果でお家の中が暖まると言われていますが、まさにその通りになります。

費用面はフッソ系塗料クラス以上になるため、高級塗料クラスに属しますが、体感できる塗料ですので良い塗料で施工してもらった感は満載です。

また、断熱塗料の効果は色彩でも変わります。つまり、淡い色合いのほうが太陽の日差しを反射する断熱効果が発揮されますので、断熱塗料用のデザイン塗装も重要な点になりますね。

各社塗料メーカーの断熱塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントMagic(マジック)
日進産業ガイナ
エスケー化研クールタイト
日本ペイントファインサーモアイウォール4F
関西ペイントドリームコート
アステックスーパーシャネツサーモ
菊水化学工業キクスイガイナ
大日本塗料エコクール

 以上が塗料のご説明となります。ただし、良しん塗装では、お客様は塗料については細かな点までご理解くださらなくて良いかと思っています。(時代によっても変わりますし、メーカーごとにそれぞれ訴求していることが違いますし、また施工店ごとに自分たちの主張が違いますので。。。)

 ただ、言えることは、「塗料」は料理で言うと「食材・材料」のようなものです。いくら良い「食材」を扱ったとしても、腕が悪いコックさんでは美味しい料理はできませんよね。一方で、仮に「一般的な食材」でも、腕の良いコックさんが扱えば、一流の料理が出来上がりますよね。
 腕が良いか悪いかは、天性の感覚もありますが、やはり、コックも塗装技術者も原点は経験が大事
だと思います。

 ですから、塗料については大枠をご理解していただくことができたら、あとは、創業以来65年以上の私たち良しん塗装に安心してお任せくださいね。

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